bitchはおよそ口にしない類の語のひとつです。

私もこれまでの英会話で一度も発していません。


 
ですがアメリカのドラマや映画では、いくつか視聴すれば必ず?と言えるほど使われますし、ネイティブ同士の会話ではタブー扱いされていません。
 
しかも本来連想するものとはかけ離れた意味を表すこともあります。

同時通訳士・松下佳世さんの編著書「同時通訳者が『訳せなかった』英語フレーズ」に、bitchが意外な使われ方をした例が紹介されていました。

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同時通訳者が「訳せなかった」英語フレーズ
同時通訳者が「訳せなかった」英語フレーズ

同書の44~45ページから一部を抜粋して紹介します。 (この本はとても面白いですよ!)

”bitching” で「とても良い」の意味に

bitchと聞いたら、やっぱりまずはこれを連想しますよね。

Son of a bitchで知られるように、少し英語を勉強した人なら、この単語が主に悪い意味で用いられることはわかりますね。
 
Bitchの元の意味は雌犬。そこから転じて「あばずれ女」「尻軽女」といった侮辱的な意味が一般的に知られています。ですから、他人に向かって使用すれば、言い争いの種になりかねません。

しかし通訳の現場でこうした使われ方をしました。

通訳現場でこのbitchが登場したのは、法廷でのことでした。ある事件の公判で、被告人が被害者についてShe had a bitching hair style.と形容しました。
 
法廷通訳人としては、もちろんすぐに日本語に訳出しなければなりません。
 
ところが、この時は一瞬頭が真っ白に。そもそもbitchという単語には悪いイメージしかなく、(中略)「確か、被害者のことを魅力的って言っていたはず。どういうこと?もしかして良い意味?」と頭の中でグルグル。日本語への訳出に戸惑ってしまいました。
 
(中略)その意味をもう一度確認しました。すると、被告人が言いたかったのは、「彼女はステキな髪形をしていた」ということでした。
 

つまりbitchが良い意味で使われていたのです。
 
ここではbitching(素晴らしい、カッコイイ)くらいの意味でしょうか。
 
しかしいまこのコンテンツを読んでくださっている皆様も、bitching と初めて聞いたらまず間違いなくネガティブな意味を連想するのではないでしょうか。
 
法廷通訳だったので、訳出を間違えると判決に影響を及ぼす、極めて重大なケースでした。
 
本書ではこのように締められています。

かつて学んだイメージや固定観念に縛られていると、思わぬところで足をすくわれることになりかねません。
 
まさに、bitchは定番の意味だけにとらわれてはいけない一例です。
 
自ら使用するにはややリスクがありますが、良い意味で使われる場合もあることを覚えておきましょう。

こういうケースがあるとはいえ、個人的には会話中で使う気にはなれません。
 
リスクが高すぎると思うのです。「素晴らしい」を意味する語は他にいくらでもありますし。
 
特にその場に女性がいたら、どんな勘違いが起きるかわかりません。
 
よほどの英会話上級者であれば使うのかもしれませんが。

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