alter と change はいずれも「変える」と訳されますが、同じ「変える」でもその意味するところは少し違うようです。
映画ダイハードの一作目に、悪役同士が言い争いをするシーンがありました。
弟を殺されて逆上するカール(悪役の名)を、リーダーであるハンスがなだめて
We do not alter the plan!
と言うのです。
調べてみたところ、
change とは何かを本質的に、根本から変えてしまうことなんだそうです。
まったく別のものになってしまうこともあり、自動詞にもなります。
対して alter は、何かを少し修正する、あるいは手直しする時に使われます。
服や何らかの作品などに対して多く使われるようです。
先ほどのダイハードの例でも、計画を今から修正するわけにはいかない、という意味で alter が使われています。change だと計画を頭から変えてしまうことになるわけです。
もうすでに計画は始まっているため、それはできません。
当サイトではおなじみのロングマン英々辞典でそれぞれの語を調べてみます。
change
to make or become different; give, or begin to have, a different form, nature, or character:
In autumn the leaves change from green to brown.
Don’t start moving until the traffic lights change(to green).
一方 alter はどうかというと、
alter
to make or become different, but without changing into something else:
This shirt will have to be altered; it’s too large.
The village hasn’t really altered much since the last time I was there.
alterには「全く別の何かに変えてしまうわけではなく」という条件がついていますね。
こういう説明は英語で読むとスッと腑に落ちると同時に、なるほど英語ではこういうのか、と知的刺激を受けるものです。
言い回しとしては実に簡単なのですが、意外とできないものです。
changeとalterの違いを英語で説明する、なんてことがサッとできるようになったら、「英語で考える」レベルがだいぶ上がったと考えてよいのではないでしょうか。