いきなりですが、以下の和訳が可能な英語のフレーズとは何でしょうか?
これだけの和訳が可能なひとつの英語フレーズってある?という感じですよね。
実はこれ、同時通訳者・松下佳世さんの共著「同時通訳者が『訳せなかった』英語フレーズ」で紹介されていたものです。
私もいろいろ考えてみたところ「確かにそれだけの和訳が当てられそう」と感じます。
このコンテンツでは同書の30~31ページを参考に、そのフレーズについて紹介します。(この本はとても面白いですよ!)
passive-agressive 意外と日本人にはありがちかも?
結論から書きますと、そのフレーズとは
passive-agressive
です。
(個人的には、この本の中でトップクラスに印象に残ったフレーズです)
辞書では「受動攻撃性の」と解説されていますが、これでは何のことかイマイチわかりません。
ケンブリッジ英英辞典の解説ではもう少しわかりやすくなり、和訳するとこのようになります。
怒りをオープンに表現せずに、人の役に立ちたくない、または親切にしたくないという態度をとる。
松下さんにとっても、このフレーズは印象に残ったそうです。
Passive-agressiveには何度か遭遇しました。
特に覚えているのは、ある一対一の会議です。新たに日本人の部下を持ったアメリカ人が、日本人上司に相談していた場面で、自分の部下を評してこう言いました。
I sometimes don’t know how to deal with her passive-aggressive behaviors.
「受動攻撃性の」という訳では、言いたいことを理解してもらえない気がしたので、具体的にどのような行動か聞きました。
すると彼は、「不満があるときに遠回しに皮肉を言う」「明確な意思表示をしない」「話し合いの場で発言せず、あとで『本当はやりたくなかった』と言う」などを挙げたので、それを一つひとつ訳しました。
職場などの人間関係で誰かに対してpassive-aggressiveになっていることって多くないですか?というか、ほとんどがそうなのでは?(実は管理人もその一人です…)
冒頭で挙げた訳以外にも「含むところがある」もありそうです。
松下さんはpassive-agressiveの背景をこのように解説されています。
誰しも、これを言って相手に不愉快な思いをさせたくないなどと気を使うことがあります。
言いたいことや直接的に表現しなかった場合、自分で納得した上でなければ、怒りや不満が少しずつ溜まっていき、それがpassive-agressiveな形で表出するのかもしれません。
私が思うに、これって日本人にとても多い精神状態ではないでしょうか?
日本人のメンタルと行動を表現する際に多用される気がします。
事実、松下さんもこのよう指摘されています。
日本人には難しいかもしれませんが、ほかの文化圏の人と意思疎通を図るためには、率直な言葉や言い方で気持ちや考えを伝えることも大切です。
内容にもよりますが、日本人同士の間でも不満に思っていることは相手に伝えたほうがいいのかも知れませんね。
passive-aggressiveな態度では、問題は解決しませんし。
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