in the offingと聞いて何を想像しますか?

この意味を知らないと、「offingという場所で」と解釈してしまいそうです。

同時通訳士・松下佳世さんの編著書「同時通訳者が『訳せなかった』英語フレーズ」に、このin the offingの解説がありました。

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同時通訳者が「訳せなかった」英語フレーズ
同時通訳者が「訳せなかった」英語フレーズ

同書の82~83ページから、一部抜粋して紹介します。(この本はとても面白いですよ!)

in the offing=近い将来に起こりそうな(状態)

このフレーズは、ある会社の社内会議で使われました。

固有名詞は、対訳が出なければ原音のまま発音すべし、という自分なりの対処法を身につけ始めたころに、思わぬ失敗をしました。
 

 
ある外資系企業の社内会議で同時通訳をしたときのことです。グローバル部門の管理職に就くアメリカ人が来日し、十数名の日本人社員と今期の全社戦略について話し合う場でした。
 
(中略)
 
最後を飾るのはアメリカ人マネージャー。日本人社員のモチベーションを上げ、部署の結束力を高めるべく、前向きな言葉で熱く語りかけながらこう言いました。
 
There are some projects in the offing.

予備知識なしで聞いただけでは、offingは場所を表す名詞に聞こえますよね?
 
実際に松下さんは「オフィングでいくつかプロジェクトがあります」と訳したそうです。

しかし会場の反応は「???」という感じ。

「オフィング」という支社も、工場も無いとのことで、確認したところ、

Yes, in the offing. Meaning they are about to start.

という答えが返ってきました。「もうすぐ始まる」というわけですね。


本書にはこのフレーズの由来も解説されています。

Offには「離れて」そして「(陸から離れた)沖に」という意味がありますが、offingはもともと海事用語で「陸から見えるが離れた沖」という意味だったのです。
 
つまりin the offingというフレーズは、「(船が)沖合に来て」「もうすぐ港に入ってきそうで」という状態を意味し、そこから派生して「やがて現れそうな」「近い将来に起こりそう」という状態を表す比喩表現になったのです。
 

ちなみに固有名詞は、通訳者にとってなかなか困った存在のようです。
 
近年はアジア圏に工場を建てるケースが増えているので、初出かつ独特の読みをする地名に遭遇した時は「固まってしまう」のだとか。
 
松下さんの本にはこうした体験談も紹介されています。興味のある方は手に取ってみてはいかがでしょうか。

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