「タレント」の英訳は何でしょうか?

以前英字新聞を読んでいたら、タレント羽賀研二氏の恐喝事件の記事がありました。


その記事の見出しが
 
In-debt TV personality arrested
 
でした。(ジャパンタイムズウイークリー07 7/7)
 

 
羽賀氏の肩書きは「タレント」なので、この場合personalityが「タレント」にあたります。
 
私が持っている電子辞書で「タレント」の英訳を調べてみると
 
He is a T.V. performer[personality,star]
 
という例文が書いてあり、talent にはバツが付いていました。
 
いろいろ調べてみたら、personality はテレビだけでなく、ラジオのタレントにも使えるようです。
 
わたし個人的には、personality は「タレント」の訳としてはかなり守備範囲が広いという印象を持っています。
 
日本語での「タレント」の意味で personality を使ってもおそらく通じるのではないでしょうか。
 
いつものように、ロングマンで personality を調べてみます。
 
personality
1 the whole nature or character of a particular person
The drug changed her whole personality.
 
2 ( a person with ) forceful, lively, and usu. attractive qualities of character
She has a lot of/She is quite a personality.
 
3 a person who is well known to the public or to people connected with some particular activity
a television personality
 

 
ところで、「性格」を意味する personality と似た語に character があります。
 
日本語でこの二語は特に区別せず使われる場面もあるようですが、英語には厳然とした違いが存在します。
 
この違いについて、「英語類義語活用辞典」ではこのように説明しています。

この2つはともに個人の個性・人格を示す言葉だが、含みがそれぞれ違う。”personality” はトータルな人柄で、知性・道徳・行為のすべてを勘定に入れたものということになっているが、実際はその人間の感情的なアピール、つまり「感じ」のほうに焦点がある。
 
これと対照的に”character”のほうは、知性や感情を一切ぬきにしたその人の道徳的な力強さを意味する。
 
(1) He has character but no personaliy.
(彼はしっかりしているが、人好きのするほうじゃない)
 
(2) He has not character enough to reproach me.
(彼は私を叱るべきなのにその気概もない)
 
このように ”personality” と対象的に ”character” が使われる時は、「意気」、「背骨」(spine)の代名詞で、この場合、絶対に冠詞を付けてはならない。
 
これは He has character. と He is a character. とを比較して覚えておくといい。
 
前者はいま言った「気概がある」ことだが、後者 He is a character. は力強い人格だとほめるどころか、バカにした表現なのである。
 
これは「変人」(an eccentric)ということで、口語では、He is a crank. または a nut, an oddball, a weird などと言うべきところを He is a character. と体裁のよい euphemism (婉曲語)を使ったまでである。

なるほど、とうなってしまう解説であると同時に、私としては冠詞ってやっぱり難しいな、と感じてしまいました。