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このテキストは、下のような構成になっています。

ちょっと見にくいですが。
ページ構成はこんな感じです
 
まずは「例題」があり、関連する練習問題を3問解く、という構成です。
 
テキストから二問紹介します。
 
「第6巻 冠詞編」から。
(冠詞を克服するべく最初に購入した巻です)
 
a と the の区別、冠詞の有無も考えて、和文を英訳してみて下さい。意外と難しくないですか?

「NHKの紅白試合で紅組が勝った」

「NHKの紅白試合で紅組が勝った」

(解説)
「紅組」「白組」などは red team,white team でも通じないことはないでしょうが、普通は Reds,Whites といいます。
 
NHKはこのままでいいことにしますが、「紅白試合」とは何なのかはっきり言わなければいけません。それはNHKが sponsor した「歌合戦」=singing contest です。
 
最近実際に行われたものと考えて the をつけます。

(正解文)
The Reds,an all female team, beat the Whites, an all male team, in the singing contest sponsored by NHK.
 
もちろん正解文と全く同じでなくとも、意味が通じればOKです。
 
もうひとつどうぞ。
ここでも冠詞に注意してください。


「わが家では元旦におとそを祝いました」

「わが家では元旦におとそを祝いました」

(解説)
「おとそを祝う」とは「おとそを飲んで正月を祝う」ことです。間違わないようにして下さい。
 
「おとそ」は sake specially prepared for New Year’s Day とします。
 
「元旦」は上記の通り定冠詞なしのNew Year’s Day です。
 
そうすると celebrated the New Year by drinking sake specially prepared for New Year’s Day となり、同じようなことばが重なって出てくるので、非常に煩わしく感ぜられます。
 
やむをえず on New Year’s Day を頭にもってきて、間隔をつくります。「わが家」は we で充分でしょう。

(正解文)
On New Year’s Day we celebrated the New Year by drinking sake specially prepared for the occasion.
 
以上の二問は「松本亨 英作全集」第6巻12~13ページから引用しました。
 
いかがでしょうか?
解説も丁寧で、こんな感じの練習を続けていけば、「英語の根本」が身につきそうな気がしませんか?
 
このテキストは全10巻です。
松本亨英作全集は全10巻です
 
私も全巻そろえているわけではありませんが、いつかコンプリートしたいと考えています。(もちろん、買うだけではダメですけど)
 
その頃には、英語で考える力が格段にアップしている確信があります。
 
※ちなみに「子育て主婦の英語勉強法―英語は女性をこんなにきれいに変える」の青山静子さんも著書で勧められています
 
最後に何と、このテキストの欠点をもうひとつ挙げておきます。
 
それはあまり流通していないことです。
 
購入するなら、アマゾンや楽天などでの中古本も検討することになるでしょう。それでも、それほど多くはありません。
 
もしもあなたが和文英訳に興味があり、古書店などで、この「松本亨 英作全集」を見かけたら、あえて言いましょう。
 
買うべきです!
 
私なら、持っていない巻であれば、「ラッキー!」とばかりに即買います。
 
私は古書店に入るたびにこの本を探しているのですが、いまだに見つけたことがありません。ホントに無いんですよ。
 
買える機会があったら、購入することをおすすめします。(くどいようですが、買うことが目的になってはダメですけど)
 

 
松本亨先生と並び、私淑している松本道弘先生は、
 
「書ければ話せる」
 
と主張されています。
 
「松本亨 英作全集」はライティングのテキストですが、スピーキング能力向上にも貢献してくれるはずです。
 
「英語で考える」アウトプットを身につける助けになってくれるでしょう。
 
ぜひチェックしてみて下さい。