映画「セブン」の小説版を読みました。

ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン主演の映画「セブン」は、衝撃的なストーリーとラストで大変な話題になりましたね。
 
もちろん私も観ています。(観て元気が出るタイプの映画ではありませんが・・・)


この本はその映画のノベライズ版です。
 
前書きの解説によると、

本書は、映画大ヒットのあとを受けて、同年(管理人注:1995年)10月ミステリー作家のアンソニー・ブルーノの手でノベライズされたものである。
 

なのだそうです。
 
講談社ルビー・ブックスシリーズのひとつで、難度の高い語や表現には日本語訳が薄い文字で併記されています。
 
英文の下に日本語が書いてあるわけですが、意外と速読の妨げにはなりません。
 
読んでみての感想として、この小説版「セブン」は速読が非常にしやすかったです。英語が平易で素直だったからでしょうか?スイスイ読めました。
 
映画を観てストーリーの概要が頭に入っていたのも速読を助けてくれました。
 
読み進めていると、映画のシーンが頭に浮かびます。
 
作品中で目についた表現を紹介します。

A little slow on the uptake for Mr. Gung Ho, Somerset thought.
(32ページ)

Mr. Gung Hoは「熱血漢」と訳されていました。「Gung Ho」 というタイトルの映画もありましたね。
 
gung-ho と形容詞で使うと「任務や仕事を熱心に遂行する、献身的に行う」という意味になります。副詞では「順調に」です。
 
次の表現をどうぞ。

He was thinking about what he’d found behind that refrigerator today. Maybe he should’ve kept quiet about it, he thought. He could’ve sat on it until the end of the week, until he was gone.
(72ページ)

sit on は何かの上に座る、という意味はもちろん、
 
小言を言う いじめる 決定を遅らせる 公表せずに伏せておく
 
という意味もあります。
 
ここでは最後の「公表しない」の意味で、訳として「握りつぶす」があてられています。
 
また、「気分が高ぶって眠れない」の言いまわしとして、以下の表現がありました。

Mills rubbed the back of his neck. He needed some sleep, but he was too wired to sleep.
(86ページ)

wired は「配線された」だけでなく、「盗聴器を仕掛けた」あるいは俗語として「興奮した、神経過敏な」という意味もあります。
 
「くわばらくわばら」もありました。

“A bullet? Never, knock wood. Twenty-three years on the job, and I’ve only taken my gun out three times with the intention of using it. Never fired it,though. Not once.”
(121ページ)

knock wood が「くわばら くわばら」です。
 
knock on wood あるいは touch wood という場合もあるようです。
 
小説版では、ブラッドピットが演じたミルズ刑事をとにかく短気で怒りっぽい人物として描いています。映画では、そこまで短気とのイメージはありませんでしたが。
 
また、モーガンフリーマン演じたベテラン刑事、サマセット刑事は小説版の最後で○○を撤回します。(ネタバレになるので伏せ字にしています)
 
映画でこのシーンはありましたっけ?私は記憶にありません。
 
とても読みやすい小説でした。映画をご覧になった方は、一度手にとってみてはいかがでしょうか。
 
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