「問題」を意味する名詞としては trouble problem issue の三つが最も多く使われるのではないでしょうか。

頻出する語ですが、それぞれの内容の違いは日本人にはなかなか難解です。


石井隆之教授「冠詞マスター教本」に、この三つの違いを解説したコラムがありました。
 
一部を抜粋して紹介します。
 
内容の違いから、可算・不可算の扱いも出てくるようです。
 
冠詞マスター教本
冠詞マスター教本

「問題」の明確さの違いで可算・不可算に

この三つの中で、カバーする範囲が一番広いのはtroubleです。
 
「ちょっとしたこと」から「深刻なこと」まで、いろんな問題がtroubleに含まれます。
 
あとの二つは、troubleよりも具体性が増します。
 
石井教授の解説です。

troubleは日常に種々雑多あり過ぎて、数えたらきりがないので、数えられません。この名詞は通例不可算なのです。
 
これに対し、数々のトラブルから問題点を整理したのがproblemで、こちらは整理済みなので、数えることが可能となり、可算名詞です。
 
その問題点を更に絞り込んだのが、issue(論点)で、この単語は明らかに可算名詞です。

この問題点の「明確さ」の違いから、使われる動詞も変わります。
 
talk about the trouble
discuss the problem
debate on the issue

 
「困っている」という表現の in trouble も不可算として使います。
 
ここでお約束の英々辞典で調べてみます。
 
trouble
(something that causes)difficulty, worry, annoyance, or suffering.
By not dealing with the problem now they are just storing up trouble for the future.
 
problem
a difficulty that needs attention and thought.
The biggest problem we face is the shortage of trained staff.
 
issue
a subject to be talked about, argued about, or decided.
Parliament will debate the nationalization issue next week.
 
trouble、problem、issue と、「取り組まなければいけない」度合いが強くなっているのがわかります。
 
troubleは単に存在している厄介ごと、という解釈もOKですが、issueになると話し合いや議論、何らかの決断が必要な問題になります。
 
ここまでくると「数えられる」わけですね。