アポロ11号のニール・アームストロング船長は1969年の7月、人類で初めて月面着陸に成功しました。
その際の交信はいろんな意味で有名になりました。
1 That’s one small step for man, one giant leap for mankind.
とアームストロング船長は言ったとされ、このままでは船長が文法ミスをしたことになるのです。
1を訳すと「人類にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」となってしまい、意味不明です。
そこでこの発言を記録した各種の文書は最初の man の前に a を補い、
2 That’s one small step for a man, one giant leap for mankind.
(訳)「1人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」
と記録してきました。
ところがオーストラリアのコンピューター専門家がハイテクを駆使して船長の音声データを解析した結果、「a」が発音されていたと2006年に発表したのです。
その解析によると「a」が発声されたのはわずか0.035秒だったそうです。
人間の耳に聞こえる10分の1の長さでした。
つまり船長は文法的に正しい2のように発音していたことになります。
アームストロング船長の「文法間違い疑惑」は、37年ぶりに晴らされることになりそうです。